●<日本で生活している外国人向け> 日本で病気になったら
1. 外国人が日本で病気になったら
1.1 日本では、病気になったら、まず、家の近くのクリニックで診察を受けましょう。
症状によって行くクリニックが違います。
どこに行くのが良いのかわからなければ、内科の医師に相談しましょう。
内科 (ないか) 風邪、発熱、腹痛、など全般
外科 (げか) きり傷、化膿
整形外科 (せいけいげか) 骨、関節、筋肉の痛みなど
産婦人科 (さんふじんか) 女性の病気、妊娠、出産
耳鼻科 (じびか) 耳、鼻、のどの病気
眼科 (がんか) 目の病気
小児科 (しょうにか) 小学校6年までの子ども
1.2 精密な検査や専門的な診断が必要となった場合は、クリニックの医師が大きな病院に紹介するための手紙、紹介状を書いてくれます。
大きな病院は紹介状がないと診てもらえない可能性があります。
診てもらえる場合でも、費用が5,000円ほど高くなり、待ち時間がとても長くなります。
1.3 診察を受けるために必要なもの
①健康保険証
②現金(クレジットカードを使えないクリニックが多い)
初診料 2000-3000円(1回目にクリニックに行く時に払う費用)
診察料、検査料、薬代 医師の判断によって違います。
お金があまりない場合は、診療の時に医師に相談しましょう。
日本で生活しているすべての人が健康保険(公的保険か国民健康保険)に入る必要があります。
日本の健康保険に加入していないと医療費が高くなります。
民間会社の旅行保険は、立替えて、後から請求し、払い戻しになるので高額の医療費を負担する必要があります。
日本の健康保険
(a)種類
(a-1) 公的健康保険
働いている会社で加入します。保険料は毎月の給料から支払います。
保険料の半分は会社が払います。
(a-2) 国民健康保険
自営業、学生、仕事をしていない人が加入します。
住民登録している自治体の国民健康保険課で手続きができます。
保険料の金額は前の年に払った市民税の金額によって決まります。
国民健康保険に入ることができるのは、外国人の場合、住民登録をしている人 (3ヶ月を超える在留資格がある人) に限ります。
短期滞在や医療の在留資格の人は国民健康保険に入ることはできません。
(b)健康保険に入ると
(b-1) 保険に加入していれば、病気や入院が必要となった場合に、医療費の30%を支払うだけで医療を受けることができます。
(b-2) 手術や長期の入院など医療費が高くなる場合、健康保険に加入していれば一定の金額以上の医療費は払わなくて良くなります。
(b-3) 国の難病に指定されている病気や障がいがある場合、健康保険に加入していれば特別の医療費補助を受けることができます。
1.4 言葉の支援
外国人が医療を受けやすくするために通訳サービスを提供している自治体としていない自治体があります。
通訳サービスがない場合に利用できる多言語問診票などや医療用語の翻訳に便利な翻訳アプリがあります。
*多言語問診票などはCLAIRやAMDAのホームページでダウンロードできます。
*翻訳アプリはVoiceTraというものがあります。
2. HIVの感染に不安を感じる方へ
2.1 HIVとエイズの違いについて
HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)はウイルスの名前で、HIVに感染した状態を放置すると、数年~十数年の間に次第に免疫機能が低下してきます。
AIDS(Acquired Immune Deficiency Syndrome:後天性免疫不全症候群)は、HIVに感染することで免疫機能が低下し、様々な感染症を発症した状態のことです。
2.2 HIV感染症について
HIVは感染力の弱いウイルスです。HIV陽性の人の血液・精液・膣分泌液・母乳の中に存在し、多くの場合、性行為によって感染します。
HIVは粘膜や、出血するほどの傷口のあるところから、体の中に入ります。
HIVが侵入する可能性があるのは、目、口腔内、膣の中、尿道、肛門の中の粘膜です。
HIVの含まれた血液・精液・膣分泌液が粘膜や傷口に直接接触することで感染が起きる場合があります。
HIV陽性者と注射器具を共有した場合は、HIVを含む血液が直接、自分の血管内に入るため、感染が起きやすくなります。
HIV陽性の母の経腟分娩は、血液が胎児に接触するため感染の可能性があります。
また母乳を飲ませることで子への感染の可能性があります。
HIV感染の可能性を低くする方法
a 性行為
性行為のときは、相手の血液、精液、膣分泌液が、自分の性器、肛門、口腔内に直接接触するのを防ぐことで感染の可能性を低くすることができます。
コンドームは相手の血液、精液、膣分泌液との直接の接触を避ける一つの方法です。
ペニスにつけるコンドームと膣内に入れるコンドームが販売されています。
コンドームを使用するのが難しい場合でも、自分の性器、肛門、口腔内に接触する血液・精液・膣分泌液量がより少なく、接触している時間が短時間であれば感染の可能性を低くすることができます。
たとえば口の中、膣、肛門の中で射精された場合や、先走り液や膣分泌液が口の中に入った場合はすぐに洗い流し、相手の精液や膣分泌液を飲み込まなければ感染の可能性は低くなります。
また粘膜に傷があるとウイルスが侵入しやすくなり、感染のリスクが高くなります。
歯磨きをすると口腔内に小さな傷がつくことがあるため、口を使った性行為をする場合は、歯磨きはせずにうがいだけにするのが良いです。
他の性感染症、口内炎や風邪などにかかっている場合も、粘膜や皮膚にはウイルスが体内に侵する傷口ができてしまうため、早めに治療を行い、完治するまでは性行為を避けましょう。
肛門や膣の中に性器具を入れた場合、体液や血液が付着しています。
性器具を共有すると他の人の肛門内の粘液や膣分泌液、血液などが、自分の粘膜に付着するため、共用は避けるか、共用するときは使う人ごとに洗浄するかコンドームをかぶせるとよいです。
b 注射器具の共用
薬物を注射するときに他の人と同じ器具を使うことで感染することがあるため、いつも新しい器具を使うか自分専用の器具を使いましょう。
器具を共用するときは、使用後の器具を洗浄し消毒をすることで感染の可能性を低くすることができますが、衛生的にも問題があるため、なるべく共有は避けましょう。
c HIV陽性女性の出産
HIV陽性女性の出産は、感染がわかったら適切な時期に抗HIV薬を飲み体内のウイルスの数を減らすこと、帝王切開で出産をすること、授乳をしないことで、子どもへの感染の可能性を低くすることができます。
これらの方法ではHIV陽性の妊婦さんから子への感染の可能性は0.5%以下です。
3. 外国人HIV陽性者が日本に暮らす時
3.1 すでにARV治療を受けている陽性者が日本に行く
日本では、HIVの抗ウィールス剤(ARV)は無料ではありません。
医療費は高いため、健康保険に加入することが必要であります。
健康保険の加入者だけが使える医療費補助があります。
補助を受けるためには、手続きが必要となります。
日本に来る前に以下の書類を用意する必要があります。
①必要な書類:
a) CD4の数値が500以下の結果及びその時のウィールス量、白血球、血小板、ヘモグロビンの数値の検査結果を2回分
b) 日本に来るまでの間の検査結果
c) 医師からの紹介状
②病院を選ぶ
全国にHIV診療専門病院として指定される医療機関があります。
どこに行ったら良いかわからない場合はCHARMに連絡ください。
お問い合わせフォーム
③保険に加入する
病院に行く前に公的保険または国民健康保険に加入して健康保険証を持っていくことが必要です。
④関西地域に住んでいる方はCHARMの医療通訳、同行支援サービスが使えます。
関西地域以外の方はご相談ください。
*関西地域とは大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山県になります。
⑤日本では、HIVを理由に入国を拒否することはありません。
在留資格の更新もできます。
3.2 日本でHIV陽性が分かった場合
① HIV検査でHIV陽性が分かった方
HIV検査会場で紹介された病院に行って初診手続きをしてください。
初診手続きとは。。。病院の玄関近くに初診手続きのカウンターがあります。そこで以下の手続きをします。
① 診察申込書を書く
② 初診受け付に持っていく。紹介状もその時に出す。
③ 診察ファイルと病院のカードを受け取る
④ 受診する科の受付にだす。
⑤ 受診、検査
⑥ 分からないことを聞く
⑦ 支払い
持っていくもの
a) 健康保険証
b) HIV検査会場で受け取った紹介状
c) 現金10,000円ぐらい
② 病院でHIV陽性が分かった方
病院の医師やソーシャルワーカーご相談して治療に必要な手続きをしてください。
③関西地域に住んでいる方はCHARMの医療通訳、同行支援サービスが使えます。
関西以外地域の方もご相談ください。
問い合わせはCHARM事務所にご連絡ください。
問い合わせフォーム
外国にルーツがあるHIV陽性者と病院や市役所の窓口に同行するなどのサービスがあります。
HIV医療通訳派遣で外国人HIV陽性の方が通訳の費用を支払うことはありませんので、病院や行政窓口の手続きで困っている方はこのサービスをご利用ください。
通訳を派遣するには早めの時間調整が必要です。
できる限りご希望の日程で調整しますが、ご希望通りにできない場合もあります。
対応できる言語とできない言語がありますので、詳しくはCHARM事務所にご連絡ください。
問い合わせフォーム
4. 検査
HIVやSTI(性感染症)の検査について
4.1 HIV/STIの検査はどこでできる?
HIVに感染しているかどうかは、検査をしないとわかりません。
HIV検査は保健所/保健センターで、無料、匿名(本名を言わなくてもいい)で受けることができます。
保健所/保健センターによって性感染症(梅毒、クラミジアなど)も同時に検査できるところがあります。
医療機関でもHIV検査をできるところがありますが、無料ではありません。
「HIV検査・相談マップ」(日本語)で検索 またはCHARMにご相談ください。
問い合わせフォーム
4.2 HIV検査結果の意味
HIV検査の結果は「陰性」または「陽性」と示されます。
「HIV陰性(-)」は、HIVに感染していないという意味で、
「HIV陽性(+)」は、HIVに感染しているという意味です。
HIVに感染した場合、多くは感染後4週間ほどたつと、血液検査で陽性の結果がでるようになります。
したがって、感染する可能性があった時から4週間後に受けた検査で「HIV陰性」であれば感染していないと考えられます。
なお、検査で陽性の結果が出るようになるまでの期間には個人差があります。
保健所や検査会場によっても、感染の機会から正確な結果が得られるまでの期間は違うので、検査を受けるときに期間について確認するのがよいです。
例えば、京都市夜間検査の検査方法では感染の機会から3ヶ月以上経たないと正確な結果が得られません。
感染の機会が3ヶ月経っていない方でも検査を受けることができますが、3ヶ月以上経った時点でもう一度検査を受けることをお勧めします。
5. 多言語対応がある検査場所
5.1 京都市(英語)
木曜の夜間即日検査です。無料・匿名で検査を受けられます。
予約が必要です。
実施できる人数が限られています。予約ができないことがありますので、ご了承ください。
検査の日に英語の通訳者を利用できます。予約の際に通訳を希望すると伝えてください。
場所:下京区役所1階
日時: 毎週木曜日(祝日の場合は検査はありません) 18:00~19:30
検査内容:
(1) HIV即日検査(約1時間で結果を返します)
(2) STI 性感染症(梅毒、淋病、クラミジア)(次々回以降の検査実施日に返します)
※スクリーニング検査の結果は約1時間後にわかります。スクリーニング検査の結果、確認検査が必要となった場合は、次々回(次の次)の検査実施日に再度来所となります。
予約・お問合わせ
(英語) :CHARM 06-6354-5902 月曜日~木曜日 10am~5pm
(日本語):京都市保健福祉局保健医療課 075-222-4249 月曜日~金曜日 9am~5:30pm
以下は翻訳不要
●<日本の方向け>
6. HIVの感染に不安を感じる方へ
6.1 HIVとエイズの違いについて
HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)はウイルスの名前で、HIVに感染した状態を放置すると、数年~十数年の間に次第に免疫機能が低下してきます。
AIDS(Acquired Immune Deficiency Symdrome:後天性免疫不全症候群)は、HIVに感染することで免疫機能が低下し、様々な感染症を発症した状態のことです。
6.2 HIV感染症について
HIVは感染力の弱いウイルスです。HIV陽性の人の血液・精液・膣分泌液・母乳の中に存在し、多くの場合、性行為によって感染します。
HIVは粘膜や、出血するほどの傷口のあるところから、体の中に入ります。
HIVが侵入する可能性があるのは、目、口腔内、膣の中、尿道、肛門の中の粘膜です。
HIVの含まれた血液・精液・膣分泌液が粘膜や傷口に直接接触することで感染が起きる場合があります。
HIV陽性者と注射器具を共有した場合は、HIVを含む血液が直接、自分の血管内に入るため、感染が起きやすくなります。
HIV陽性の母の経腟分娩は、血液が胎児に接触するため感染の可能性があります。
また母乳を飲ませることで子への感染の可能性があります。
HIV感染の可能性を低くする方法
a 性行為
性行為のときは、相手の血液、精液、膣分泌液が、自分の性器、肛門、口腔内に直接接触するのを防ぐことで感染の可能性を低くすることができます。
コンドームは相手の血液、精液、膣分泌液との直接の接触を避ける一つの方法です。
ペニスにつけるコンドームと膣内に入れるコンドームが販売されています。
コンドームを使用するのが難しい場合でも、自分の性器、肛門、口腔内に接触する血液・精液・膣分泌液量がより少なく、接触している時間が短時間であれば感染の可能性を低くすることができます。
たとえば口の中、膣、肛門の中で射精された場合や、先走り液や膣分泌液が口の中に入った場合はすぐに洗い流し、相手の精液や膣分泌液を飲み込まなければ感染の可能性は低くなります。
また粘膜に傷があるとウイルスが侵入しやすくなり、感染のリスクが高くなります。
歯磨きをすると口腔内に小さな傷がつくことがあるため、口を使った性行為をする場合は、歯磨きはせずにうがいだけにするのが良いです。
他の性感染症、口内炎や風邪などにかかっている場合も、粘膜や皮膚にはウイルスが体内に侵する傷口ができてしまうため、早めに治療を行い、完治するまでは性行為を避けましょう。
肛門や膣の中に性器具を入れた場合、体液や血液が付着しています。
性器具を共有すると他の人の肛門内の粘液や膣分泌液、血液などが、自分の粘膜に付着するため、共用は避けるか、共用するときは使う人ごとに洗浄するかコンドームをかぶせるとよいです。
b 注射器具の共用
薬物を注射するときに他の人と同じ器具を使うことで感染することがあるため、いつも新しい器具を使うか自分専用の器具を使いましょう。
器具を共用するときは、使用後の器具を洗浄し消毒をすることで感染の可能性を低くすることができますが、衛生的にも問題があるため、なるべく共有は避けましょう。
c HIV陽性女性の出産
HIV陽性女性の出産は、感染がわかったら適切な時期に抗HIV薬を飲み体内のウイルスの数を減らすこと、帝王切開で出産をすること、授乳をしないことで、子どもへの感染の可能性を低くすることができます。
これらの方法ではHIV陽性の妊婦さんから子への感染の可能性は0.5%以下です。
7. 検査
HIVやSTI(性感染症)の検査について
7.1 HIV/STIの検査はどこでできる?
HIVに感染しているかどうかは、検査をしないとわかりません。
HIV検査は保健所/保健センターで、無料、匿名(本名を言わなくてもいい)で受けることができます。
保健所/保健センターによって性感染症(梅毒、クラミジアなど)も同時に検査できるところがあります。
医療機関でもHIV検査をできるところがありますが、無料ではありません。
「HIV検査・相談マップ(CHARM外部のサイト)」(日本語)で検索 またはCHARMにご相談ください。
問い合わせフォーム
7.2 HIV検査結果の意味
HIV検査の結果は「陰性」または「陽性」と示されます。
「HIV陰性(-)」は、HIVに感染していないという意味で、
「HIV陽性(+)」は、HIVに感染しているという意味です。
HIVに感染した場合、多くは感染後4週間ほどたつと、血液検査で陽性の結果がでるようになります。
したがって、感染する可能性があった時から4週間後に受けた検査で「HIV陰性」であれば感染していないと考えられます。
なお、検査で陽性の結果が出るようになるまでの期間には個人差があります。
保健所や検査会場によっても、感染の機会から正確な結果が得られるまでの期間は違うので、検査を受けるときに期間について確認するのがよいです。
また、京都市夜間検査の検査方法では感染の機会から3ヶ月以上経たないと正確な結果が得られません。
感染の機会が3ヶ月経っていない方でも検査を受けることができますが、3ヶ月以上経った時点でもう一度検査を受けることをお勧めします。
8. HIV陽性者の方
HIVに感染したことがわかったら
・エイズ治療拠点病院で今のあなたの身体の状態を調べるための検査が必要。
エイズ治療拠点病院は全国にあります。
最初は毎月病院に通って治療が必要ですが、症状が安定してきましたら、2~3ヶ月おきの通院になります。
エイズ治療拠点病院のソーシャルワーカーに行政の手続きの相談ができます。
・更生医療などの制度が利用できます。
高額療養費制度
身体障害者手帳
自立支援医療制度
・利用できるCHARMのプログラム
ひよっこクラブ
SPICA
HIV陽性者やパートナー等の対面相談
女性交流会
その他のCHARMのプログラム
9. HIV陽性者のご家族・パートナーの方
・HIVとエイズの違いについて
・HIVはこわい病気?
・HIV陽性者がいる家族が気をつけないといけないことは?
・HIV陽性者のご家族・パートナーが相談できる場所は?