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20周年特別企画

外国人、日本人のへだてなく、日本国内に住む全ての人が言葉の壁を超えて医療につながり心身の健康を保てるようにと始まったCHARMの活動は2022年度に設立20周年を迎えました。

この間、HIV/AIDSをはじめとする感染症への誤解や偏見と立ち向かい、多くの支援者当事者、そして関連団体と協働し活動を進め、今日に至りました。外国人労働者、居住者が増加の一歩をたどる日本において、外国人のための医療体制、保健社会福祉制度はまだまだ途上にあります。

CHARMはこれらのさらなる充実を社会に働きかけるため、2022年度2023年度の2ヶ年をかけて記念事業を実施しました。2つのフォーラム、CHARMの活動に関わる人が集う20周年記念パーティー、20周年記念募金、機関紙「Charming Times」特別号、ホームページ改訂、20周年グッズ等を通してこれまでCHARMを知らない人たちにもCHARMを知っていただき、取り組みに参加していただくことを目指した。

A)「つなぐ・まもる・つむぐ」募金

募金期間:2022年6月1日から2023年12月31日
目標金額 200万円
募金総額:1,404,000円
多くの皆さまからいただきましたご寄付は、20周年記念事業のために活用させていただきました。

募金の目的

B) 記念ロゴ、記念グッズ

CHARM20周年の1年目である2022年度は、最初の取り組みとして20周年記念ロゴを作成し記念グッズをデザインしました。

CHARMが設立当初から使っているオリジナルロゴに加えて新たにロゴを2種類作成。20周年記念メインロゴは、CHARMの基調である青色を基に、中央に数字の20年目を表す20thとCHARMオリジナルロゴの手書き現版を入れた。20周年記念サブロゴは、CHARMが目指す「すべての人が健康に生きることができる社会を表す多種多様な人々」をイメージしました。

作成したロゴを使って、缶バッジを3種類、20周年ロゴのシール(大、小)、シール付きA5版のクリアホルダーと一筆箋を作成しました。

これらの20周年グッズは、来館者、ボランティア、会議やイベント、一定額以上の寄付者に感謝の意味を込め配布した。好評のため追加作成し、2023年度もプログラム開催の際などに配布しました。

C)「Asian Forum on HIV and Migration/移民と HIV に関するアジアフォーラム」開催

HIV陽性者が国境を超えて移動する際に服薬治療が中断されることのないように、NGOや医療従事者が各国におけるHIV診療の実情を知り、相談先を明確にすることで、移住するHIV陽性者が安心して治療継続ができる環境を目指して開催しました。

フォーラムは、2022年11月23日(水曜/祝日)15:00-18:00にzoomによるウェビナーの形式で行ない52名が参加しました。

フォーラムは、英語で行われ、以下の人々がそれぞれの国で外国人がHIV医療にアクセスするまでの過程と課題について情報を共有し、意見交換を行いました。日本はHIV診療に必要な医療補助を申請するために過去の検査データを提出する必要がありますが、フォーラムに参加した日本以外の国では国内の指定機関で受ける血液検査でHIV陽性と確定することでHIV診療につながることが報告されました。日本は労働者や学生そして専門職の人たちなど多くの人を受け入れている国であり、移動するHIV陽性者が安心して治療を継続する環境を整備する必要性を痛感しました。これらの団体とは今後も移住者の治療継続を確保するために連携をとっていきます。

各国でHIV陽性者が治療につながるまでの手順は、こちらでご確認いただけます。→各国のHIV陽性者の治療について

D) 設立20周年記念パーティー

2023年9月30日(土)京都市のバザールカフェで記念パーティーを開催しました。会場には50人が参加、その他オンラインでインド、オーストラリア、アメリカ、ドイツから4人が参加しました。20年の歴史の年表<後日掲載>とこの間の医療の変化を示したグラフが張り出され、改めてこの期間の変化の大きさを実感しました。この期間中行われてきたさまざまなプログラムに異なる時期に参加した人たちが一堂に集まり、現在のそれぞれの取り組みや思いを交わすことができました。最後に理事長が20年のHIVのそしてCHARMの歴史についてまとめたスピーチを聞きながらそれぞれが自分の歴史を確認したひと時でした。

E) CHARM年表の作成

世界と日本のHIV/AIDS関連の歴史と関連団体、CHARMの歴史を合わせた年表を作成し、20周年記念パーティーで披露しました。またこの年表作成から発展して、薬害エイズに取り組むMARS、ゲイコミュニティーへの啓発を行うMASH大阪、CHARMが中心となって日本のHIV40年の歴史の年表を作成し日本エイズ学会市民フォーラムで公開しました。

F) CHARM機関紙20周年特別号発刊

2022年2回、2023年2回の全4回特別号を発刊しました。理事長松浦基夫による日本のHIV/AIDSの取り組みの歴史(全4回シリーズ)、CHARMに関わる人々(CHAMER)の紹介など豊富な記事を記載。

G) CHARM国内フォーラム

<テーマ> 海外から日本に移住するHIV陽性者の現実
<日時>  2024年2月24日(土曜日)14:00-16:30 (zoomは16:00頃まで)
<場所>  日本基督教団 東梅田教会
     (https://higashiumeda-church.com/access)
<定員>  現地参加31名、zoom参加22名  合計53名
<参加費> 無料
日本で生活し、働く海外出身のHIV陽性者の生の声を聞き、医療につながる際の壁や課題について意見交換を行った。

プログラム内容:
 大阪市立総合医療センターソーシャルワーカーの瀧浦その子さんより「海外から移住した人が日本でHIV診療を受けるための手順と条件」というテーマでご発表した。
 次に、当事者2名から日本で経験した医療アクセスの課題を共有した。
 続いて、港町診療所の沢田貴志さんが「海外から移住してきた人がつながりにくい日本のHIV医療」というテーマで発表した。
 最後に、2022年に実施した国際フォーラムよりアジア6か国のHIV診療の比較と2023年7月から12月の間にCHARMが受けた相談事例をまとめて報告した

 今回の国内フォーラムで一旦CHARM設立20周年の記念事業は終了するが、次の20年への課題が明らかになった2年間だった。これからもそれぞれの垣根を越えてすべての人が健康に暮らせる社会を実現するための取り組みを行いたい。

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