2025年5月31日~6月1日にCHARM研修「排除と差別はどこから…?」の第1回「医療による排除と差別」を実施しました。
第1回は宿泊研修で行われ、岡山県にある国立療養所邑久光明園にて行われました。
参加者は事務局を含め、24名でした。
初日はJR邑久駅で集合し、市営バスで邑久光明園に向かいました。
最初に邑久光明園園長の青木先生による講演「ハンセン病の歴史と今」が行われました。

その後、園内を歩くフィールドワークを実施しました。








夕食後、CHARMの松浦理事長による講演「エイズに引き継がれた負の歴史」が行われました。

2つの感染症について、共通点などの課題を考える機会となりました。
2日目の午前中は小グループに分かれて、みなさんが参加したことで感じたこと、日常の課題とのつながりを共有しました。

参加されたみなさんの感想の一部をここでご紹介します。
感想の一部抜粋
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・島があまりにもきれいだった。海のあお、樹々の緑、爽やかな風。その中に閉じ込められて生きてきた人たちがいる。何の正当な理由もなく、理不尽にも。その中に生活があった。喜びがあり悲しみがあった。怒りがありあきらめがあった。子どもたちが親や家族から離され暮らした跡があった。学んだり遊んだりしたところ。小さな命が捨てられ、殺され、さらしものにされ、そして、最後にやっと弔われた。海が遠くまで広がっていた。波の音、潮の光が淋しかった。言葉にならない何かが胸に響いてきた。
~ 夏風やハンセン病の島の黙 ~
・園長先生の真摯なお話から伝わる歴史を知る者の果たされる使命感のようなものに打たれました。市民とともにドクターなど専門家が対等に関わっておられるところも素敵でした。合宿でおそくまで話せたり、ていねいに話を聴きあうスタンスが皆様にあって心地よい2日間でした。
・ハンセン病に対する無知、ビックリした。法改正などのターニングポイントがあったにも関わらず、排除と差別が続いたことに驚いた。
・講義、フィールドワーク、交流、全てに衝撃的なことがありました!特にフィールドワークを通して当時の記録が目にやきつき、その時の人たちの思いや声が聞こえてくるような感覚でした。また、グループワークや交流を通して、様々な「人」との出会いの意味に改めておどろき、そして貴重な時間ばかりであったと感じます。
・参加者のひとりひとりがハンセン病、そしてその他の様々な差別や偏見について考えて話し合おうとする姿勢は良い意味で衝撃的でした。
・ハンセン病訴訟において、職員、医療者も被告側の立場にあるということで、園長が謝罪されたこと。ハンセン病とエイズにある共通点を知ることができたこと。
・ハンセン病の歴史、施設での生活、人権に関する問題など初めて知ることも多く、見ることで心が揺さぶられる感じがよりリアルに残りました。様々な感情が湧き出てきて上手くまとめられませんが、感じることは大事だなと改めて思いました。色々な理不尽なことが起きる社会の中でどこに主眼を置けばいいのか分からなくなる時もありますが、青木先生初めハンセン病の方々と向き合い共に生きる心ある人々もたくさんいらっしゃることが救い(また自身の)や希望につながりました。
・学ぶということにとどまらない化学反応が起きたことを経験した。それは邑久光明園という苦しみと悲しみを経験されてきた方々の場に受け入れていただいたことがまず大きな要因である。次に園長がハンセンの歴史を自らの責任として証言してくださった弱さの姿勢の中で正確な情報を伝えてくださったことによってハンセンとHIVについて正しい理解をすることにつながった。第3の要因として参加者1人1人が日頃からテーマについて思考し、悩み、求め考えている人々が集い、その思いを共有したことで熟成が起こった。
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このような研修をCHARMとしても続けていきたいと思います。
今年度は、第2回、第3回の研修がすでに決まっています。
詳細及び、お申し込みはCHARMのホームページのイベントページをご覧ください。
https://www.charmjapan.com/events/
2. 外国人政策による排除と差別
日時:2025/7/12(土) 10時 ~ 16時
会場:在日韓国基督教会館 (KCC会館)
プログラム:フィールドワーク、講義、グループディスカッション
3. 家族主義による排除と差別
日時:2025/9/20(土) 13時30分 ~ 16時
会場:ドーンセンター 大会議室1
プログラム:パネルディスカッション、グループディスカッション
申込要項:
・マイノリティーの抱える課題に関心のある方。
・各回1週間前までにお申込ください。
定 員 :各回40名
参加費 :無料 ※会場までの交通費等の実費はご負担ください。
